【初公開】「企画持ち込み」で出版する方法
「自費出版ではなく、出版社から本を出してみたい!」
「作家デビューしたい!」
そんなあなたのために、
僕が実際に本を初出版した時の体験談を交えて
出版するまでの方法をお伝えします。
Contents
原稿を書く
自分でも「最高に面白い!」と思える原稿をまず書きましょう。
当然、ここに一番時間がかかりますよね。。
でも不思議と、
一冊出版できると原稿を書くことが簡単になっていき(楽になって)、
次々と書けるようになってくるので安心してください。
(経験を重ねるという単純なことです)
そして大事なポイントは、
著者自身がその原稿に対して、
絶対的な「自信」と「情熱」を持っているかどうかです。
なぜならこの二つが
編集者の心を揺さぶらせ、
初出版のための突破口になるからです。
脅かすつもりはないのですが、
実際は「企画持ち込みお断り」の出版社がほとんどです。
出版したことのないあなたが、
出版社からお金を出してもらって出版できるのは狭き門なのです。
(確率的には1%もない、と言われています)
でも、狭き門でも出版はできます。
実際、僕は企画持ち込みで初出版してもらいました。
その狭き門を通過するためには、
常識やルール通りでは通過できません。
そこで大事なのが先ほど言った
あなたの「自信」と「情熱」です。
なぜならこの2つは、
受け手(編集者)の心にダイレクトに届くものであり、
「企画持ち込みNG」という社内ルールと狭き門をすり抜ける事ができるものだからです。
まずは
- 「世界一面白い!」と思う原稿を用意する
- 「この原稿は絶対本にしてたくさんの人に読んでもらうべきものなんです!」というあなたの「情熱」と「自信」を持っておく
この2つさえ準備できていたら、
出版までは90%来ていると思って構いません。
(それくらい大事な部分です)
企画書を作る
A4用紙2〜3枚で企画書を作りましょう。
内容は以下の通りです。
形式は自由ですが、できるだけ文字少なめで。
それぞれ2、3行でまとめましょう。
(編集者は忙しいので、細かく見てくれないと思って作りましょう)
企画書に書く内容
- タイトル案(2、3個)
- キャッチコピー案(2、3個)
- 企画概要(どんな本なのかを2〜3行で)
- 企画意図(この本を通じて読者はどうなるのか、何を学べるのか、など)
- 特徴(本の唯一無二な箇所をわかりやすく説明)
- 強み(本の独特な箇所など)
- 著者プロフィール(簡潔&ドラマチックに)
- 読者ターゲット(※編集者が注目する部分です。年齢層、性別、どんなタイプの読者なのか、できるだけ詳細に書きましょう)
- 仕様案(ページ数、本サイズ、カラーor白黒、値段、ソフトorハードカバー、など)
- 販売促進プラン(SNS拡散、クラファン、推薦文など、著者ができる営業活動について)
- 納期(いつ頃までに出版したいのか)
- 類書(※編集者が注目する部分です。似ているテイストの売れている本を書いてください。似ている本が売れてたら企画会議で説得しやすいので)
- 内容・構成案(目次など)
- 書籍イメージ(どんな表紙や中身がいいのか、本屋やネットで見つけた写真を添付)
本屋で似たテイストの本を出している出版社をメモする
次は近くの大きな本屋に行きます。
そこで今回出版したいテイストやカテゴリーに近い本を探しましょう。
本の最後のページには、
出版社名、
電話番号(営業&編集部)、
メールアドレス(書かれてたらラッキー)
が記載されているので、それをメモりましょう。
写真撮影はNGです。(こっそり写真撮りましょう)
目標は100社。
1%という狭き門なので、
「100社のうち1社を見つける」イメージでいいと思います。
(僕の初出版の時は100社のうち2社の企画会議が通ったので、
実際は2%という門になりました)
出版社リストを作る
本屋で調達してきた出版社リストをエクセルかNumbersで作りましょう。
後で見返す時に楽ですし、2作目を出版したい時にこのリストが役に立ちます。
メールと電話の準備をする
【メール】
メールは長くなりすぎず、丁寧に、常識的な内容で。
企画に対する情熱はここで表現しましょう。(文字なら相手に引かれず読んでもらえるので♪)
常識があるのか、ちゃんとした人なのか、一緒に仕事して問題ない人かどうか、
なども編集者はチェックするので、そこもメールのテキスト表現でクリアしましょう。
企画の詳しいことは語らず、(原稿と企画書を添付するので必要ない)
大まかな概要と情熱をメールでは表現しましょう。
「いつでも伺いますのでお気軽にご連絡ください」
のような内容も書いて、
いつでもそちらに伺う準備できてます!
手間を取らせません!
10分でもいいので説明させてくれませんか!?
というニュアンスも伝えておきましょう。
編集者がサクッと返信してくれる確率を上げるためです。
【電話】
電話は最初の開口一番が一番大事です。
一言目で聞き手の心を掴む必要があるからです。
これは具体例を伝えた方が早いですね。
僕の場合はこれでした。
「突然すみません!実はさっき世界一周旅から帰ってきた所なのですが、旅中に路上で働く人たちに感動して100人以上を取材してきたんですが、そのサンプル本を一冊作ったので10分でいいです、見てくれませんか?」
このセリフに隠れた演出
- 「さっき世界一周から帰ってきた」→フレッシュ感と高揚感と勢いを演出
- 「100人以上取材」→数字を提示することで信用度と理解度を上げる
- 「サンプル本」→既にあるなら見てみたい、と思わせる演出
- 「10分でいいです」→編集者に手間とらせませんよアピール。「じゃあ来て」と言ってもらいやすくするための演出
という裏演出を忍ばせたセリフを作っておきました。
(電話の結果は後述しています)
そんな風に、裏演出を忍ばせた一行で完結するセリフを事前に考えておきましょう。
メールと電話をする(100本ノック!)
実際にメールと電話をしていきましょう。
まずはメールです。
なぜならメールに反応して返信をくれる出版社がいるかもしれないので、
そこでスケジュールを作っておかないと、
電話して「いつでも行きます!」と言いづらくなるので。
基本、既読スルーされるというスタンスで送りまくりましょう。
言うだけならタダです(笑)。
もし返答が来たら、その日のうちに返信しましょう!
鉄は熱いうちに打て、です。
明日には編集者の気持ちが変わっているかもしれないので、
素早く返信して、信用を積み上げましょう。
メアドが分からない出版社には電話をしましょう。
電話の場合はいろんなパターンがあります。
パターン①
受付の人につながり、「うちは企画持ち込みはお断りしてるのですみません」と断られる
パターン②
受付の人につながり、編集部に回してくれる
パターン③(編集部に電話する時)
「じゃあ来てもらえますか?」とアポの予約を取れる
パターン④(編集部に電話する時)
「メールで概要送ってもらえますか?」とメアドを教えてもらう
目指すのは③か④です。
③か④ができたら上出来です。最高です。
なぜなら共にメリットがたくさんあるからです。
③のメリット
- 編集者の人柄や相性チェック
- 会社の雰囲気チェック(お金があるかないか)
- 自分のプレゼン能力の練習
- 編集者の質問や指摘をもとに次回作などに活かせる(編集者がどこに注目しているのか、注意を払っているのかなどを知ることができる)
④のメリット
- 一通のメールで伝えたいこと全部伝えることができる
- 原稿も企画書も添付できる(概要を伝えやすい)
- 編集者がしっかり目を通してくれる可能性が上がる(電話で話しているので)
- 編集者は自分のタイミングでメールをチェックできる(ゆっくり見れる)
- 次の段階に進みやすい(内容が面白いと感じてくれたら企画会議にあげてくれる可能性が上がる)
全然相手にしてくれない出版社(電話の対応が良くない)もいますが、
気にせず電話しまくりましょう。
電話をかける度に、自分のトーク力も磨かれていきますし、
その体験も後にネタになるので。(この記事のように笑)
ちなみに僕が電話した時の結果は、
100社のうち25社が実際に会ってくれました。
とある編集者にその話をしたら
「会ってくれただけでも奇跡ですよ!」と興奮しながら話してくれました。
日本の出版業界では「企画持ち込み」で会ってくれるだけでも珍しいようですが、
前述したように、「裏演出」や「情熱」や「自信」などのルールをすり抜ける技を使えば
狭き門は簡単に通過できます。
結局、ビジネスも人と人です。
相手の心を揺さぶれるかどうかが肝になります。
外見は「企画持ち込みお断り」とは言いながらも、
実際、編集者は面白くて刺激的な企画を求めていますからね。
臆することなく、どんどんメールと電話入れましょう。
(この行動力が欲しい!という方はこちらの記事を読んでみてください)
編集者に熱意を伝える
メールなら文章表現で、
実際に編集者と会うことができたら口頭で、
あなたの企画にかける想いと情熱をしっかり編集者に届けましょう。
なぜ、「熱意」にこだわるかというと、
あなたの「熱」は編集者に伝導するからです。
あなたがいくら情熱を持っていても、
編集者の心に火がつかないことには企画は本になりません。
編集者が企画内容に感動し、
「売れそう」と思わないことには本は出版されません。
出版社内で企画会議に合わせてプレゼン資料を作り、
プレゼンの練習をし、
役員たちを納得させるためのプレゼンを行うのは
「あなた」ではなく「編集者」です。
そこまで編集者が動くためには
編集者のやる気の火を灯す必要があります。
そのためにあなたができることは全部やりましょう。
- 企画会議のプレゼン資料の参考になりそうな情報を集めておく
- 売れると思う理由をわかりやすく説明できるようにしておく
- 販売促進のためのアイディアを用意しておく(SNS、Youtube、クラファン戦略など)
などなど。
編集者が企画会議を通してくれる
ここまでくればあなたができることは全部やりましたので、
あとは編集者に託すしかありません。
- 本の値段は?
- サイズは?
- 発行部数は?
- どうやったら売れるのか?
- ターゲットは誰か?
- なんでこれを本にしたいのか?
- 帯文は?
- 表紙は?
- 予算は?
社内でお偉い方々や頭のいい方々が様々なシュミレーションをして企画が決まります。
「企画会議通りました!」
という朗報メールが来るのを気長に待ちましょう。
(メールが届いた時は飛び跳ねて喜ぶほどめちゃくちゃ嬉しかった!!w)
本格的に編集スタート
企画会議が通った後なので、
編集者と笑顔で会えます。笑
これが嬉しい。
ここからは具体的に原稿の校正が始まります。
表紙のデザイン、帯文を誰に頼むか、追加で書いて欲しい箇所などを補足、添削、挿絵など、
書店に並べる本になるように編集していきます。
表紙(装丁)の案が出てきた時はめちゃくちゃ興奮しますよ!w
完成&出版!
無事完成したら、後は書店に本が並ぶのを待つだけです!
発売日に大きな書店に行って、チェックしてみましょう。
平積みにされた自分の本を見た時の興奮は絶頂です!
僕も思わず親やお世話になった先生や先輩に電話しちゃいました。笑
おめでとうございます。
これであなたは「作家」です。
あなたは作家デビューしたんです。
一冊出版できたら、
- 信用度も上がるし、
- 評価もされるし、
- 新しい出会いもあるし、
- 著名人に会えるし、
- 自信がつくし、
- 二冊目を出したくなるし、
- 書くことが楽しくなるし、
最高でしょ?(笑)
改めて本ってイイですよね。
キリストやブッタの教えも、
結局、聖書や教本として残っているから現代にまで継承されているわけですから。
本にするということは、あなたの物語が1000年以上残り、
後世に引き継がれていく可能性があるということです。
これからもどんどん書いて、素敵な本を出版してくださいね。
玄武書房さんが「企画持ち込み可能な出版社一覧」をまとめてくれていますので、
よかったら参考ください。
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Kindle本の出版方法を解説した記事はこちらから。